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3.準備が大切   準備には、物や環境の準備(ハードウエア)と、子どもたち  の内面の準備(ソフトウエア)の両方が必要です。絵にしろ何  にしろ、描いたり作ったりするためには、子どもの心の中に、  アウトプットすべき何ものかがなければなりません。感動をと  もなう体験などや、注意深く何かを観察したりなど、子ども達  の内面的準備が必要です。   次に必要なことは、以上のようにして子どもたちの内面に準備  された「表現したい」という欲求をいかにスムーズに実現させ  てあげることができるかです。言い換えれば、子どもにとって  表現しやすい環境を整えてあげるという、物や環境の準備です。  それもただ単に子どもにとってやり良いというだけでは不十分  で、より楽しめるように、より充実した活動となるように、そ  して、より効果的な絵画・造形表現ができるようにです。以上  の観点から質の高い準備を行うことが肝心だと思います。   たとえば、溶き絵の具(粉絵の具を溶いたもの)による絵画  の制作では、  1.色の種類は十分豊富か?  2.溶き絵の具の濃さ(粘り具合)は、ちょうど良い濃さに調    整できているか?  3.絵の具壺や筆その他準備物の数、配置のしかたは適切か?  など、その他にもたくさん配慮すべき項目があります。そのよ  うないろんな「準備」のクオリティーの高低がそのまま、子ど  もたちが感じる面白さ、満足感、活動の充実度、さらには作品  の良さにつながると思います。   しかし、良い作品とはなんでしょうか。私は、子どもたちが  本当に喜び、熱心に取り組んでできた作品は、ほとんど良い作  品になっているように思います。一見「なんじゃこりゃ」と大  人が思うような作品にも、よく見るといろんな面白味が見えて  きます。逆に、気のない活動でできた作品は、一見上手に見え  たとしても、よく見ると何かつまらない感じがするものです。  左の写真の絵はどれも、とても楽しんで描いた様子がうかがえ  ます。
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a.パパがちょうちょを見ているところ (絵の具、コンテ、サインペン) b.車が道路を走っているところ (絵の具、コンテ、サインペン) c.ロバとにわとりが一緒に遊んでいるところ (絵の具、コンテ、サインペン)

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